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1.「いない いない ばあ」

このページは、
私三宅が、2014年から福岡の中小企業応援マガジンBis Naviで、
経営者のためのエッセイとして寄稿したものを、
現在の情報に書き換えて、加筆一部変更してお届けしています。

 

「いない いない ばあ」から

絵本はこどものためだけに愛されているのではありません。

大人にだって、心をわしづかみにされる絵本だってたくさんあります。

私が絵本に学ぶ仕事術で用いている計算式は、
「絵本+ビジネスの現場+仕事の哲学」。

この式は、言葉も絵の意味もわからない、あかちゃんのための絵本にも、十分に備わっています。

もっというと、これらの絵本に、生き方を学ぶこともできるし、
哲学書、歴史書、ビジネス書に負けない訓示を与えてくれる絵本もあります。

今回ご紹介する松谷みよこさんが描いた「いないいないばあ」は、
発売から43年、450万部をこえる日本で一番売れている(トーハンミリオンブック2010年度版調べ)スーパーロングセラービジネス書です。
この絵本からご紹介してまいります。

私は、企業の人材教育の伴走者として仕事をしています。
それは、研修という形をとったり、
社員のいる現場まで下りていく教育顧問という形だったり、様々ですが、
いろんな企業に伺う機会は、職業柄多くあります。

一歩中に入るだけで、会社がわかる・・・
社員様の表情、そこにただよう空気感、
「挨拶」や、「笑顔」に触れる度、
この会社に存在するものは何か?が見えてくることがあります。
申し上げると、私は、スピリチュアル的能力は一つもありませんが、
私だけでなく、同じように感じられる人は多いと思います。
自分のことは見えないのですが、
その人から放たれるエネルギーの動きはよく見えるものです。

明るい雰囲気、暗い雰囲気、重い雰囲気、とげとげしさ、あたたかさ、冷たさ・・

感じますよね。
職場になると、あらゆる人の放つ空気が混ざり合って独特な空気を放ちます。
この会社はTOPにピリピリしている。
来客に興味がないんだな~
なんて清々しい!
など、ビンビンに伝わってくるのです。
考えると宅配便の方が一番ご存知かもしれませんね。。。

そうした企業訪問の時に思い出すのが、

この「いないいないばあ」なのです。

誰でもあかちゃんのころ、「いない いない ばあ」をしてもらったと思います。
記憶になくても、笑顔を求めてコミュニケーションの遊びとして、
一度くらいはしてことがあるのではないでしょうか?
いえ、せずとも、誰もが知っていることと思います。

顔を手で覆って「いない いない~~♪」と言い、
覆った手を「ばあ」と広げる。

この時、何を思いますか?
ちょっと考えてみましょう。

きっと、誰もが、あかちゃんの笑顔を想像するのではないでしょうか?

そこに笑顔が生まれると信じられるから、何回でもできる。
いない いない~とする側が「そこにあかちゃんが笑ってくれるはず!」という確信があるから、したくなる。
もし、笑ってくれたらどんな気持ち?
もし、笑ってくれなかったらどんな気持ち?

それと同じような気持ちを会社の訪問時に味わうのです。
挨拶をして、出迎えてくれた社員様と奥へ進む。
相手は、怒っているのか、気に入らないのか、忙しいのか、よほど厳しいのか、笑顔がないままの硬い空気の中で訪問者を待つ。
このことをイメージしましょう。

私たちは、いない いない ばあをしてもらったという記憶は、もうないかもしれません。
でも、もし 、来訪者が「こんにちは~(いない いない ばあ)と笑いかけてくれた時、
「私の笑顔をみたくて、笑わせようとしてくれていた!!」いない いない ばあのこの絵本を思い出してください。

笑顔は、なんてお金のかからないプレゼントなのでしょう~

「笑顔トレーニング」をするなら、「いない いない ばあ」をしましょう。

ビジネスにそんな子供だましなんて通用するか!とお思いの方がいたら、
それは、原点を忘れているというもの。
私たちはこうやって、コミュニケーションを学んだのです。

満面の笑みでおはようと声かけて、もし、返してくれなかったら、
それは、「いない いない ばあ」を忘れた人です。
繰り返して教えてあげましょう!!

だって、あかちゃんは一度に笑わないこともあるのですもの。

もしも、ご自分で心当たりがあるのなら、絵本を見てみましょう!

笑顔創生の秘密がここにある!そんな一冊です。

文章:絵本ガイド 三宅美穂子

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「いない いない ばあ」
作:松谷 みよ子
絵:瀬川 康男
出版社:童心社

Posted in エッセイ , 絵本に学ぶ仕事術

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