みなさん、慶祝ムードの令和。
みんなの祈りのように良き時代になりますよう、
私も祈り、日々研鑽していきたいと思っています。
その令和の始まりに選んだ一冊をまぐまぐに投稿しました。
ここでは、毎月1日と15日に更新していますが、
次の15日までこちらに掲載しようと思います。
(以降は消去させていただきます)
何かの勇気につながりますように~
絵本に学ぶ仕事術 令和元年 5月1日
■今月の絵本「はじまりの日」
─────────────────────
平成から令和に。
新しい時代が始まりました。
日本中が慶び祝う改元の瞬間は、
この令和時代が幸せで平安でありますように・・という願いにあふれたものでした。
みなさまは、どのようにして今日を迎えましたでしょうか?
さて、今月の絵本は、
その新しい時代の「はじまりの日」のために贈ります。
ボブ・ディランの曲名「forever young」の歌詞が描かれている絵本、「はじまりの日」。
この絵本の初版は、2010年。
その後2016年に、絵本の作詞をしたボブ・ディランさんがノーベル文学賞を受賞したことで
増版されて一気に広まりました。
当時は、書店にも平置きされたくさん積まれていました。
彼のノーベル賞受賞に関しては、
ご存知のように、
シンガーソングライターとして初の受賞であったり、
発表後しばらく音信が途絶えたり、
彼の人となりを誤解してしまうような報道もありましたが、
よくよく、この絵本を見てみると、
この受賞は、当然のことだと頷けるのです。
そのくらい、しっかりと創られている一冊なのですが、
実は受賞より6年も前に出版されているのです。
まず、この点に感動します。
そして、さらに伝わってくる、
訳者とイラストのお二人の表現者の力。
まず、訳者アーサー・ビナードさんは、
「forever young」を『はじまりの日』と訳しました。
いつまでも若くの直訳では、伝わらない思いをこのタイトルに表現したのです。
アーサーさんは、アメリカ生まれで、現在日本に住んでいる方です。
そして、日本語で詩を書く、翻訳家であり詩人です。
平和へのメッセージ、戦争を伝える著書・絵本も数多く出版しています。
そもそもこの絵本は、ボブ・ディランがわが子のために作った曲。
未来を生きるわが子がどんな生き方をしてほしいかが綴られています。
その中には当然平和への祈りが含まれていて、
この歌は、アーサーさんの思想にも近いということがわかります。
だからこそ、より磨かれた詩になっているのでしょう。
また、読んでいただくとわかるのですが、
このアーサーさんが書き下ろした訳は、まるで令和の時代を象徴するかのように
戦争もない、人種の壁もない、国境もない、
助け合い、夢を語り合い、礼節を重んじ、世界がつながる。
勇気と、勤勉さと、正直さと、決して流されない軸を持つことを以て、
世界の人が幸せでありますように・・・
毎日がはじまりの日。
と伝えています。
私は、これこそ、令和の精神だと思いました。
日本だけが特別ではなく、人は愛するものにどうやって生きてほしいかみな同じなのだとジーンとしてしまいました。
さらにその詩の背景を表現しているのが、
ポール・ロジャースさんによって描かれているイラストです。
この人もまた、絵本づくりにあたって、
彼を深く理解するためにアルバムを何度も聴いたと絵本の巻末に書かれていますので、
ボブ・ディランの歌を代表する一冊といってもよいほどに、
研究しつくされた表現になっています。
例えば、ページ毎に
その時代のこと、
曲を通して見えてくる景色
ボブ・ディランが影響を受けた人や
勇気づけられた人が描かれ、
よく探してみると、ビートルズの4人や、アインシュタインなども登場しています。
巻末を読まずに最初は詩を楽しんで。
そして、巻末の絵の説明を読んでさらにもう一度読むのもよし、
「forever young」の歌を聴きながら絵本のページをめくるのもよし。
深いメッセージにきっと驚くことと思います。
令和が始まりました。
人々が、より美しい時代をつくるために、
心を寄せ合い文化を育ちあう
ビューティフルハーモニーの時代がやってきました。
この令和の時代で、私たち一人一人が輝く歩みができますように。
毎日がはじまりの日。
今日もキラキラな一日でありますように
作: ボブ・ディラン
絵: ポール・ロジャース
訳: アーサー・ビナード
出版社: 岩崎書店
まぐまぐのこちらのアドレスからもご覧ください。
http://www.mag2.com/m/0001596930.html