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2026年1月18日newsletter
【今回のテーマ】 組織に必要な人間力ってなんだろう~絵本×マネジメントギャラリーから~
2冊目の朝礼絵本に選んだのは、組織人としてどうあるべきかを考える絵本×マネジメント。
組織は人によってつくられる。しかし、人について語ることが一番難しいと感じることも多いはず。
その時に代弁者として活用いただける絵本を選びました。
※このページは、ニュースレターのために書いた2026年1月17日に投稿したnoteの記事を転記しています。

マネジメントって、難しくない~ビジュアルナラティブで組織開発
組織に必要な人間力ってなんだろう
なぜ、学ぶのか!
リカレント教育といった人間性に着目が集まる今日、
企業の成長には今や包括的な人間力が欠かせません。
技術スキルだけでなく、対人間関係能力、倫理観、コミュニケーション能力といった人間力が求められています。
ドラッカー教授は、『現在の経営』の中で次のように話しています。
働く人はマネジメント的な視点をもつときにのみ、
すなわち企業全体の成功と存続に責任をもつ経営管理者のように企業を見る時にのみ、
最高の仕事を目指して自らの責任を果たすことができる。
そのような視点は参画を通じてのみ獲得できる。
『現在の経営』著:P・F・ドラッカー/訳:上田惇生/出版:ダイヤモンド社/発行:2006年
組織の分かり合えなさが、
役割と立場の違いによる視点の開きにあると仮定して、
「ならば、働く人が、全員マネジメントを学ぶことはできないか?」
と考えました。
しかし、学ぶことを卒業した人にこそこの視点!!と思うものの、
「マネジメントは小難しい」
「仕事で疲れてそんな余裕がない」と、
本を読むとしても一苦労に感じているようです。
半面、
誰もが「自分の仕事に誇りや達成感を持ちたい、役に立ちたい」と考えていることも、多くの働く人から、直接聞いてきました。
そこで、マネジメントをわかりやすく伝えていきたい!と、
求めて行き着いたものが絵本であり、
絵本とマネジメントの融合です。
広義のマネジメントを一度に学ぶのではなく、
絵本1冊ずつに込められたマネジメントコンセプトを
ゆっくり理解し、体得し、実践できるまで深めていこうという試みが、
絵本×マネジメントで、絵本×マネジメントギャラリーの目的です。
今日のマネジメントコンセプト
今回の朝礼で伝えてほしいマネジメントの話、
組織に必要な「人間力ー真摯さ」について。
人としてどうあるべきか、
組織人としてどうあるべきか、
みなさんはどう考えられますか?
どんな人と一緒に仕事をしたいと思いますか?
ドラッカー教授は、
真摯さを欠くことを、次のように表しています。
強みよりも弱みに目のいく者
「何が正しいか」よりも、「誰が正しいか」に関心をもつ者
真摯さよりも頭脳を重視する者
部下に脅威を感じる者
実践家ではなく評論家である者
自分の仕事に高い基準を設定しない者『マネジメント中―課題 責任 実践』
いかに知識があり、聡明であって、上手に仕事をこなしても、真摯さに欠ける者は組織を破壊する。組織にとって最も重要な資源である人を破壊する。組織の精神を損なう。成果を損なう。
『マネジメント中―課題 責任 実践』
と、続きます。
マネジメント[中]組織の規模、働く部門のいかんを問わず、組織に働く者が果たすべき役割、その方法、そして戦略のあり方を体系的にまとめた書。www.diamond.co.jp
嘘、偽り、ごまかしのない報告、信頼に足る日ごろの態度、習慣といった、あるべき姿についても、
何かあれば、コトより人を貶める組織体制も、
人の失敗を面白がることを許したり、
人間関係を混乱させることが易々とできてしまうなどの
真摯さの欠如した組織では、
いい仕事や未来のための、イキイキした知恵が生まれてくるのでしょうか?そう、人の強みを生かせる経営はできないのです。
そこで、育ち直しというか人としてどうあるべきか!が求められています。
組織に必要な人間力ってなんだろう?は、
誰もが、人に指を向けず、「自分はどうなのか?」と、
最初に身に着けるべきマネジメントとなります。
しかし、ちょっと伝え方が難しい!
さて、どのように皆さんは社員様に伝えますか?
人間性、真摯さ、自社にとって嘘偽り表裏のない行為について、
細かなところまで管理して、思い通りになるように「こうだ!こうしろ!」と押し付けるのでも、伝えるのでもなく、
一緒に考えるというのはいかがでしょう~
コンセプトに響き合う絵本
そこで、今日選んだのは、この絵本。
『皇帝にもらった花のたね』から学ぶ

『皇帝にもらった花のたね』 作・絵 :デミ 作・絵 /訳:武本佳奈絵 /出版社:徳間書店/発行:2009年
皇帝にもらった花のたね – 徳間書店www.tokuma.jp
むかし、皇帝が国じゅうの子どもたちにおふれをだしました。種を受けとり、大切に育て、一年後に見せにきた者の中から世継ぎをえらぶ、と。花を育てるのが大好きな男の子ピンは、誰よりもきれいな花をさかせるぞ、と世話をしますが…? 緻密に描かれたイラストが魅力の、愛らしく味わい深い絵本。
徳間書店ホームページより引用
もっと、ストーリーについてお伝えしたいところですが、
お楽しみ!ということで、控えます。
なぜなら、私が伝えても、例えば引用して訳の文章をお話しても、
それだけで十分に伝わるのですが、
この絵本は、とにかく絵が美しいのです。
一緒にみてほしい。
一緒にその絵本の中に立ってほしいのです。
作者のデミさんは、徳間書店のHPの著者についてにも書かれているのですが、
朝ドラ「ばけばけ」に似た人生の背景をお持ちです。
デミさんの場合は、
中国人のご主人から伝え聞いた民話やアジアの物語を中心に絵本にして100冊以上作られているのです。
大好きな作家さんのお一人。
たくさんの作品の中でも、
今回のマネジメントコンセプトを考察するには、
『皇帝にもらった花のたね』が、とても適していると考えています。
この絵本の主要な人物は、
皇帝と、主役のピンという少年。そしてその父親です。
ピンと父親の関係がまた素晴らしいのです。
私はこの父親こそが真のリーダーの姿を映しているのではないかと読みました。
主人公のピンはもちろんですが、
父親についても、いい組織のための対話が深まりそうです。
今日の絵本は、5分~6分ほどかかります。
たしかに、少し長め。
それでも、みなさんに知っていただきたい絵本です。
ページをめくって、絵も読んでいただきたいと思います。
今日の問い
「組織に必要な人間力とは何だろう!」
主人公から学べることは?
父親から学べることはなんでしょう~
職場に同じようなことがありますか?
絵本×マネジメントの用い方
ウーヴルHP
読み方に難しさはありません。今回の絵本は少し長め。
何度も書いておりますが、
ショートストーリーを旨とする絵本×マネジメントには特例の絵本かもしれません。
しかし、考察箇所の多いこともあり、ぜひにみなさんと共有していただきたい絵本です。
こうした、ページ数が多い場合は、あらかじめ打ち合わせをして、
2~3人で読み合ってもいいと思います。
工夫していただけたら嬉しいです。
まとめ

この絵本は、「帝王学」そのもの。
これからは企業がこの使命をを果たすことが求められると思います。
仕事を通して自己成長できる喜びを以て、人は働くを楽しむことができるのではないかと。楽しむことができるから、この仕事が好きだと思うから、
より成果を生むことができるのだと思います。
思ったように人が育たない、思ったように成果がでない。こうした問題は瞬時に解決できるものではありません。
コツコツと積み上げるしかないのですから。
今日の最後に、
拙著『絵本はマネジメントの教科書』のあとがきでも引用させていただいたのですが、
ドラッカー教授の日本における代表的な研究者であり、ドラッカー博士の著書の多くを翻訳し日本に紹介し、さらにドラッカー博士のご友人でもあった、上田惇生先生のご著書の中から一文を綴ります。
万人のための帝王学
昔は国王、領主の治世いかんによって、国民、領民の幸せが左右された。
そこで王子教育のために帝王学なるものが生まれた。
会社でもつい近頃まで、社長の経営状態で会社の運命、社員の幸せが左右された。リーダーの才覚で成功するか失敗するかが分かれた。
そのため、二代目が帝王学を学ぶために他社へ修行に出された。ドラッカーは、これからはそうではないという。組織のメンバー全員が自らを律する帝王学を身に付けなければならない。
全員がトップのように働かなければ、組織の成功、社会の繁栄はないという。『ドラッカー入門 万人のための帝王学を求めて』著:上田惇生/ ダイヤモンド社 2006年
学ぶことを畏れず、人が育っていくことを喜ぶ、そんな環境を作りたいものです。

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マネジメントって、難しくない~ビジュアルナラティブで組織開発
マネジメントの入り口をやさしくして、「働くを楽しむ」組織づくりを支援しています。 noteでは、理念経営・人的資本経営・マネジメントの原則を、対話と行動につなぐためのビジュアルナラティブ紹介をしています。オフィシャルサイト:oeuvre.jp