この記事の目次
はじめに
働く人と会社を元気に!というミッションを掲げて活動をしていますが、
会社を、組織と言い換えていつもお伝えしています。
それは、医療や教育機関などのご縁も多いということもありますが、
「マネジメントを学ぶ」ことは、
営利団体も非営利団体も共通の目的であると捉えているからです。
そのため、会社ではなく、人が目的をもって集まったという意味を含めて、
組織という言葉を使っています。
少しだけ、私事になります。
先日、高齢の家族の病状や治療方針の決定に関する説明を医師から受けました。私たちからの質問に対しても丁寧に回答いただき、
一通りの説明をされたのち、最後に担当医が
「このようにマネジメントしようと思います」と括りました。
これまでも、同様なシーンを何度か経験していますが、
マネジメントとして表現されたお医者様は初めてで、
「そっか、これもマネジメントなのだ」と、
ちょっと新鮮な驚きがありました。
医療というのは常にチームで行います。
ですから、院内で働く人のマネジメントは簡単に想像ができます。
しかし、この担当医は、
ご家族も私たちチーム、
私たち家族は、先生たちと共にマネジメントをしていくのだ!と
おっしゃった‥と思えて、
「何をなすべきか、何をマネジメントすべきか?」と
前向きにとらえられ、明るい気持ちになりました。

「マネジメント」という言葉。
多くの方がイメージする「管理される」「TOPだけのこと」という解釈から、
もっと、明るく自由で、かつ積極的で、
誰もが幸せになるという知恵、手段、行動という解釈が通用するようになってきているんだな~と感じた時間でした。
あなたの組織ではいかがですか?
マネジメント、この言葉、身近なこととして存在していますか?

本日の絵本×マネジメントギャラリー
さて、月3冊を3か月計画の絵本×マネジメントギャラリー、
お約束の最終日です。
「組織でマネジメント教育を導入する」と考えて選んだ9冊。
以下のような流れを作ってきました。
- 小さいけれど大きな力-ほんのちょっとのマネジメント
- 組織に必要な人間力ってなんだろう
- 理解は、聞き手の中で起きている
- 植物に学ぶチーム作り
- 仕事を進める私たちのステップ
- 私と仕事と社会の繋がり
- 仕事の成果はどこに出る?
- 内なる働きに感謝すること
そして、このシリーズの最終回のコンセプトを学ぶ絵本は『わたし』です。
絵本の内容
「わたし」はだれなんだろう?を考える絵本
「わたし」は、男の子からみると、女の子。赤ちゃんからみると、お姉ちゃん。お兄ちゃんからみると、妹。お母さんからみると、娘のみちこ。お父さんからみても、娘のみちこ。おばあちゃんからみると、孫のみちこ。先生からみると、生徒。となりのおばさんからみると、やまぐちさんの下のお子さん。犬のごろうからみると、人間。宇宙人からみると、地球人。知らない人からみると、だれ? 社会関係を楽しく描きます。
福音館書店HPより引用
1981年がどんな年だったのか、ちょっと検索をしてみました。
黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』がベストセラーになった年。
そして、ドラッカー教授の「日本の成功の背後にあるもの」という論文が、マッキンゼー賞を受賞した年と出てきました。
バブル前ではあるものの、日本経済のエネルギーが高まってきたころですね。
山口百恵さんの引退などの、あの時代。
「ミレニアル世代」の誕生のころです。
実は、ドラッカー教授のこの論文は読んだことはないのですが、
人中心の経営に移ってきたところでしょうか。。
そんなことを考えながらこの粋な絵本『わたし』を再度開いてみました。
絵本は、ただ、呼び名が違うことを表現しているのではない!ことがわかります。

絵本のマネジメントポイント
この絵本はとっても単純明快、シンプルです。
しかし、マネジメントを学ぶ視点に立つと、
とても大切なコンセプトを含んでいることがわかります。
表紙絵は女の子が一人描かれています。
この女の子は、常に左側に描かれて、
各ページで表情やポーズが少し変わっています。
それは、読んでいただくと、
そのページに登場する相手に対する 女の子の心理が見えてくるので、
とても面白いです。
谷川俊太郎さんの文で、長新太さんの絵。
最高のコンビネーションで生まれた絵本。
絵本がお好きな方は全員知っていらっしゃる、ロングセラーの絵本です。
しかけが楽しい絵本です。
マネジメント絵本として重要な気づきは、
見返しをめくって書名が書かれた「扉」のページと、ラストページにあります。
そこにあるのは、女の子のシルエット。
表紙絵と中ページにいる女の子と同じ大きさで描かれています。
今回の絵本×マネジメントは、このシルエットになっているところが鍵なのです。

今日のマネジメントコンセプト
2015年頃、新しく作る自走式自社研修のために、
私の中に立ちあがってきたのは、「何によって覚えられたいか」というドラッカー教授の言葉でした。
人は対面している相手(市場、顧客、同僚、家族、友人)によって異なる「役割(機能)」を持ちますよね。
絵本でもみっちゃんであったり、みちこであったり。。。
関係性が呼び名でわかる。愛おしさも気安さも、緊張感もわかります。
ドラッカー教授のこの問いを通して絵本を読むと、
それら全ての役割を貫く「一貫したあり方(アイデンティティ)」は何か?ここが大切であることがわかります。
さらに、わたし を われわれ に 私たち に、
置き換えてみませんか?
顧客が、ファンが、取引先が、隣の商店主が、働く家族が、タクシーの運転手が、われわれを何の会社と認識しているか?
私は、私たちは、どう覚えてもらいたいのかを意識して、
日々を積み重ねてきただろうかということです。
私も、○○会社の○○(役職)さんと言われた後、三宅さんの奥さん、○○くんのお母さんとして呼ばれてきました。途中からなんだか社会に置き去りにされた気持ちが強くなって、私は何者だろなんて迷走していました。
仕事をもって、それなりに貢献していることを実感し、
みほこさん、ありがとう!と久しぶりに呼ばれた時、やっと自分を取り戻した気持ちになったことを思い出します。
呼ばれ方って、役割です。
いい例が、他己紹介されると、どう世間が思っているのかがわかって、愕然としたり、畏れ多いと感じてしまったり。。。その時の紹介にドキッとするのではなく、
どう覚えてもらいたいかが、自分にも周りにもわかってもらえるようになりたいものだと、思ってきた・・つもりです。
ずっと心にして日々を送るって大切。いやはや難しい。
それを、さらりと教えてくれる絵本がこの『わたし』です。

例えば、「有能な営業マン」として覚えられるのは「役割」のことを指しますが、
「誰よりも誠実で、困った時に真っ先に顔が浮かぶ人」として覚えられるのは、どの役割でも共通するわたしだけの資質・強み、「あり方」です。
また、このあり方に気づくと、「娘」「隣人」「地球人」という異なるラベルが付いたとしても、「私は何を為すべきか」という内発的な動機を以て考え行動することができます。
「役割(ラベル)」がどれほど変わっても、その中心にある「変わらない資質や貢献」を見つけ出すプロセスは、社員一人ひとりが自分の仕事に独自の意味を見出す大きな力になります。
そして、その在り方を通して、「どのように社会に関わっているのか、まわりにどのようなよい影響を与え続けているか」に気づくことができるでしょう。
わたしは・われわれは、何を以て覚えられたいか、どのようにありたいか、
考える機会として絵本を贈ります。
そして、この問いは、ドラッカー教授にしても60歳を過ぎてようやく言葉になってきたといいます。すぐに出なくてもいい。
しかし、組織として、私たちはどうあるべきか?の問いは何度でも何度でも繰り返すことはできるでしょう。
今日の問い
私たちは、どのように覚えられているか?
朝礼の進め方

絵本を読みます。読んでもらいます。
『わたし』を読む時のポイント、面白さについて、ちょっと触れましょう。
この記事も一緒に読んでいただいてもよいかもしれません。
次に、ディスカッションをします。
皆さんから出てくる言葉は、
どんな言葉であっても、それは一人一人の思いの粒。
「知ることができた」と、受容しましょう。
そして、
「あなたは、何によって覚えられたいですか?」
と、
「私たちは、どのように覚えられているでしょうか?」
について、繰り返し、問い続けましょう。
私たちの組織は、社会全体を支えています。
私たちの仕事は、社会に貢献しています。
私は、その仕事を行っています。
ただ労力を提供する、働く人ではありません。
私たちが、社会を作っています。
そのことに自信をもってもらいたいと思います。
さいごに
最後まで連続でお読みいただき、本当にありがとうございました。
あなたの好きなマネジメントコンセプト絵本はどれでしたか?
また、あなたの好きな絵本があれば、コメントでぜひ教えてください。
次回は、エクストラ・エキシビションとして、
お届けできたらいいな~と考えています。
ありがとうございました!
