この記事の目次
3か月連載でお届けしている絵本×マネジメントギャラリーも、
今日を含めて残り、4冊(4作品)となってしまいました。
100冊以上の絵本候補の中から選んだ、わずか9冊。
今日は6冊目、6番目のマネジメントコンセプトをお届けします。
絵本×マネジメントギャラリーの目的
マネジメント教育、人財教育にお困りの方へ、
誰もがわかりやすく、
限られた時間の中で、
情報過多の中で記憶に残りやすく
チームが機能する教育手段の一つとして、
絵本は優れたツールであることを知っていただきたい
その思いでお届けしてきました。
これまで、
- 仕事はほんの小さなことで決まることを、みんなで理解するために
- 人間力とはみんなで考えるために
- なぜ伝わらないのかを、みんなで理解するために
- その結果には必ず”根っこ”があることを理解するために
- 仕事のステップを理解し、効率化を進めるために
以上、5つのマネジメントコンセプトと共に、
共通認識していただく、ヒント(絵本)をお届けしてきました。
今回は、「仕事って何?」について、チームメンバーそれぞれがどう理解しているのかを互いに知り、
共通認識へと対話を進めるための一冊をご紹介します。

今日のマネジメントコンセプト
渋沢栄一から学ぶ「働く意味」
「仕事とは何か?」
「人は何のために働くのか?」
この問いは、実に多くの書籍となって書店に並んでいます。
そして、「人はなぜ生きるのか」と同様に、永遠のテーマなのかもしれません。
答えは見えているようでいて、
多くの著者からさまざまなヒントを受け取ることができます。
渋沢栄一という人
その中でも、一万円札の顔である渋沢栄一の玄孫が監修した絵本から、
「仕事ってなに?」を考えます。
渋沢栄一は天保11年2月13日(西暦:1840年3月16日)、現在の埼玉県深谷市血洗島の農家に生まれました。
家業の畑作、藍玉の製造・販売、養蚕を手伝う一方、幼い頃から父に学問の手解きを受け、従兄弟の尾高惇忠から本格的に「論語」などを学びます。
「尊王攘夷」思想の影響を受けた栄一や従兄たちは、高崎城乗っ取りの計画を立てましたが中止し、京都へ向かいます。
郷里を離れた栄一は一橋慶喜に仕えることになり、一橋家の家政の改善などに実力を発揮し、次第に認められていきます。
栄一は27歳の時、15代将軍となった徳川慶喜の実弟・後の水戸藩主、徳川昭武に随行しパリの万国博覧会を見学するほか欧州諸国の実情を見聞し、先進諸国の社会の内情に広く通ずることができました。
明治維新となり欧州から帰国した栄一は、「商法会所」を静岡に設立、その後明治政府に招かれ大蔵省の一員として新しい国づくりに深く関わります。
1873(明治6)年に大蔵省を辞した後、栄一は一民間経済人として活動しました。そのスタートは「第一国立銀行」の総監役(後に頭取)でした。
栄一は第一国立銀行を拠点に、株式会社組織による企業の創設・育成に力を入れ、また、「道徳経済合一説」を説き続け、生涯に約500もの企業に関わったといわれています。
栄一は、約600の教育機関・社会公共事業の支援並びに民間外交に尽力し、多くの人々に惜しまれながら1931(昭和6)年11月11日、91歳の生涯を閉じました。(引用元:渋沢栄一資料館 https://www.shibusawa.or.jp/eiichi/eiichi.html
渋沢栄一の生誕から69年後、
のちに「マネジメントの父」と呼ばれるドラッカーが誕生します。
渋沢栄一は、西洋のcompanyという仕組みを用いて社会の課題解決を解決し、
ドラッカーは、「マネジメント」という概念を体系化して、社会変革を促しました。
なぜ働くのか。
なぜ仕事をするのか。
二人の根底にあるのは、
幸せな社会をつくるという志です。
日本では、「なぜ働くのか」「仕事とは何か」という意識、
いわゆるエンゲージメント(自発的・貢献的意識)が
世界基準と比較して低いという統計も出ています。
確かに、組織を通して自らが成長できると実感する機会は、
まだ十分とは言えないかもしれません。
仕事とは何かを見いだすヒントとして、
今日の絵本は大切なことをぎゅっと濃縮しています。
チームで共通認識を育むきっかけになる一冊です。
絵本紹介

著者:おかださえ
出版社:みらいパブリッシング
発行:2022年
どんな絵本か出版社のHPからご覧ください。
渋沢栄一氏の玄孫(やしゃご)が監修
仕事の仕組みとお金についてやさしく学べる1冊。
約500の会社を作り、約600の学校・病院・団体などを作った渋沢栄一の名著『論語と算盤』から、
「しごとってなあに?」「おかねってなあに?」に答える絵本です。
お金を増やすには「ありがとう」が必要。
もっと増やすには、「ありがとう」をどんどんつなげていくことが必要。
そんな「仕事」「社会」「お金」の仕組みを、小学生でもわかりやすい言葉で紹介しています。
「自分なら何をすれば人の役に立てるかな」「いつか人の役に立てるしごとをしたいな」と、夢をふくらませてもらう1冊です。編集者からのコメント
2021年NHK大河ドラマで、さまざまなビジネスを成功させる姿が描かれていた渋沢栄一さん。
ドラマにも出てきていた『論語と算盤』の精神を、小学生でもわかるようにやさしく答えてくれています。
大人にとっても「仕事とは」を見直すきっかけになる本です。
夢を叶えるためにも大切なことが書かれています。
(引用:みらいパブリッシングHP https://miraipub.jp/books/17132/)
仕事は、どこに、どのような形で作用するのでしょうか。
絵本では、お父さんとの対話を通して、
子どもたちが「働くこと」「仕事の意味」を理解していきます。
仕事とお金、暮らし、
幸せと社会のつながり、道徳心。
『論語と算盤』で語られた循環が、
やさしく、しかし本質的に描かれています。
自分の仕事がどのように社会につながっているのか。
その理解が深まることで、働く意義が見えてきます。
下の図は、私がこの循環についてお話するときにいつも使っている図なのですが、
自分の仕事が、どのように社会に繋がっているか、
この理解ができることで、働く意義を見出せているようです。

絵本の中にも、この繋がりを見出すことができます。
今日の問いと進め方
今日の絵本は、とてもわかりやすい内容です。
私は、絵や言葉(物語)をメタファーとして
マネジメントコンセプトが立ち上がってくる絵本を好みますが、
これほど丁寧に描かれていながら、
読み手に「余白」を残している点が魅力です。
しかも、問いを考える必要がないほど、
子どもたちが絵本の中で次々と問いを投げかけてくれます。
朝礼絵本としても十分に活用できる一冊です。
最後に・・・
みらいパブリッシングは、
拙著『絵本はマネジメントの教科書』を世に送り出し、
絵本でマネジメントを伝えるという挑戦を
日本で最初に発信してくださった出版社でもあります。
感謝を込めて、お届けします。
連載も残り3冊。
次回もどうぞお楽しみに。